私達が生活する上で、ほとんどの方が必ずといって良いほど行なうこと。その1つに、「洗濯」という作業があると思います。昔は洗濯機などありませんから、1枚1枚を「洗濯板」というもので洗っていたようで、正に尊敬に値する、私達の先祖の方々。
しかし、今の時代は、脱いだ衣類を洗濯機に入れるだけで、後は、その洗濯機が止まるまで、何もしないで待つだけ!我が家では乾燥機は使用しませんので、干す手間はありますが、洗濯板を使うことを考えれば、干すなんてことは、なんてことない作業なわけです。と、こうお話しさせて頂いております私は、現在45歳の専業主婦をしている、中学生の子供の母です。
バブルと言われた昭和の時代が終わり、今となっては、食費に光熱費や、子供の教育費といった多額の出費に、落ちつぶされそうな毎日を送っています。日々の家計を節約するべく、色々な出費を抑えるよう努力しているのですが、その努力ゆえに、大失敗をしてしまった経験もあります。それが、先程からお話ししている「洗濯」にまつわるお話しです。
皆さんもそうだと思いますが、普段私達が身に着ける衣類は、季節ごとに「衣替え」というものを繰り返していくものですよね。勿論我が家でも、毎年この「衣替え」を行なうのですが、1つの季節を越えた洋服は、1年経たないと再び着ることはないわけです。特に冬場は、重たくて分厚いコートを着ているため、毎年春先に、大量のコートを持ってクリーニング店に向かうのが、言わば、恒例行事のようなものになっています。
そんなクリーニング店に足を運ぶ時に、とても苦痛に思うこと。それは、洗濯物が重たいからでも、お店に行くのが面倒なことでもなく、このクリーニングにかかる出費です。1枚のコートだけでも、何千円というお金が飛んでいくではありませんか。その分、とても綺麗にして頂いて、我が家に戻ってくるわけなのですが、何とも痛い出費であることも事実です。
そこで、この出費を浮かして、子供の教育費にあてたいと思った私は、お洗濯×の自分のコートを、いつも自宅にある「オシャレ着洗い」の洗剤で、優しく優しく洗ってみようと、こう考えたのです。このコート、お値段が万単位するようなものではなかったので、ちょっと油断して、軽く考えてしまいました。
まず、洗濯槽に水を張って、オシャレ着洗剤を投入。そこに、そのコートを入れて、ゆっくりジャブジャブと何回か押し洗いしました。それが終わった後に、仕上げとして、洗濯機の機能で1分ほど稼働したのです。これで「洗い」が終了した私は、「脱水」に取りかかったのです。さすがの私も、普段の洗濯のような、激しい回転はいけないと思っていたので、回転数の少ないドライモードを選んで、様子を見ながら脱水をスタートさせました。
しかし、脱水スタート直後から、コートの形崩れが気になり、1分も回さないうちに、洗濯機からコートを取り出したのです。そして、肩が落ちないしっかりしたハンガーに、形を整えながら吊るし、外の竿に干したのです。やがて日が暮れる頃、そのコートを部屋の中に取り込んで見てみると、かなりクタッとしたコートに大変身。コートというよりは、カーディガンのような、そんな見た目に仕上がってしまいました。
その状態は、もう着られないというほどではなかったのですが、正直、着る気持ちにはなれないものになってしまったのです。一回クリーニング店に出すという選択肢もあったのかもしれませんが、多分プロの方から見たら、自宅で失敗したことが一目でわかると思ったので、恥ずかしくて出せませんでした。
そして、そのコートはどうなったのかと言いますと、着たくないと思いながらも、何回かは着て歩きました。しかし、そのクタクタ感は、見た目にかなりよろしくなかったので、季節を越す前に、新しいコートを購入してしまいました。
やはり、洗濯するということは、その衣類の性質や種類をよく考えて、自宅でおこなうか、プロにお任せするのかを決めるものですね。
あの失敗があってから、我が家のコート類は全て、プロであるクリーニング店に、しっかりお任せすることにしたのでした。